in SEOUL : ソウルから学ぶべき店舗のあり方

2018年、夏の終わりに韓国に市場調査へ行ってきました。目的はWWDでも特集が組まれた「韓流サードウェーブ」と呼ばれる新たな韓国トレンドの視察です。「冬のソナタ」の第一次韓流ブーム、BIGBANGやK-POPアイドルの第二次韓流ブーム、そして世界で通用し始めているアーティストや、ファッションアイコンなどが中心となったムーブメントが現在。ランスのロレアルが韓国の「STYLENANDA」を4000億ウォン(非公表)で買収と話題になったことでも、韓国の世界的な注目度が伺えます。

店舗は表現の場であり、体感し、共感し、拡げる場

日本での店舗のあり方は今も昔も変わらず、モノを売り買いする場であることが中心ですがソウルの一部ブランドでは、店舗のあり方はアートであり、ブランドのコンセプトを伝え、共感し、SNSで拡げてもらう場になっています。代表的な事例では、GENTLE MOSTERとADER errorが挙げられます。

ADER error

韓国のソウルで 2014 年に結成されたデザイン集団
「But near missed things(身近にあるけど見逃してしまうもの)」をスローガンに掲げ、ユニセックスなウェアを提案。メゾンキツネやプーマとのコラボや10コルソコモでのポップアップなど話題を呼んでいます。日本でも若い世代に人気で、インスタのフォロワー数も45万越え。

GENTLE MONSTER

2011 年に設立されたアイウェアブランド。ハイブランドのようなデザイン性でありながら価格帯は日本円で3万円前後程度。売上は約270億円程度あると言われており、10年足らずで驚異的な成長です。

ADER error、GENTLE MOSTER両者に共通しているのは、店舗は売る場所でなく、体感させる場であり、SNS等で拡げる場であること。
入り口にはそもそも商品は見当たりません。もはやアートであり、その世界観は圧巻です。見ていてワクワクするこの感覚は、まるで美術館に足を運んだかの様。
店内にいる多くの人がスマートフォンを片手に写真や動画を撮り、SNSにアップする光景は、買い物とは程遠い店舗のあり方を目の当たりにさせらました。随所に写真スポットがあり、センスもよく、エンターテインメントそのものです。
ECが発展した現代だからこそ、ブランドが店舗を保つ意味、意義。改めて店舗のあり方を考えさせられます。